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湿原の植物

群馬県尾瀬ヶ原や北海道のサロベツ原野などにおいて,モウセンゴケの大群落を観察出来るが,こうした湿原においては,ミズゴケなどの厚い堆積があっても,低温と多湿,そして水が酸性のため微生物の働きが抑えられて,植物遺体の分解が進まないです。

そのため根から吸収出来る栄養分(窒素,リンなど)が極端に不足し,草丈が高くなる植物の生育が阻止されて,ツルコケモモ,ガンコウランなど地表を這う低木類が疎生する程度の植生となります。

このような日照を遮るものが少ない湿原に優占して生育出来る植物群の代表の一つがモウセンゴケです。

葉が虫を捕らえて消化し,栄養分を摂取することが出来るため,根から吸収する栄養分が欠乏していても平気です。

西オーストラリア州には,世界に野生するモウセンゴケ属140種のうち約半数が分布しています。パース市周辺から州の南西端にかけては比較的降雨量が多く,年間1000㎜を超える地域もあります。

ところが降雨は7~8月の冬に集中し,その後の長い乾季に野火が発生して,ユーカリ林を焼き尽くしてしまいます。

ミネラルたっぷりの灰が積もった二次的荒野には,最初に侵入して盛んに生育し繁殖する,いわゆる先駆植物が見られます。

バンクシア属(ヤマモガシ科),モウセンゴケ類などです。

一般の植物,特に樹木にとっては壊滅的ダメージを受ける野火のような災害でさえ逆手にとって利用し,子孫の繁栄と進化へのチャンスに替えてしまうのであるから、この逞しい生命力には感嘆するばかりです。

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